バレー、陸上、柔道、釣り、テニス、映研……
それぞれの“今”に真っ直ぐ向き合う高校生たちを描いた青春部活小説。
福蜂工業高校バレー部で三村統とのエース争いに敗れた高杉と、
尋慶女子高校テニス部エースで美人かつ勝気な赤緒。
小柄で地味だが躍動感あるスポーツ写真を撮るはっち。
中学時代から互いを認め合ってきた三人の友情と淡い恋の行方。
明日岡高校陸上部を引退したばかりの涼佳は、
ヘタレな後輩・柳町に突然告白される。
東京の大学に通う元陸上部の先輩へ届かない恋心を
抱いてきた涼佳だったが、走り高跳びに打ち込む柳町の
成長を見つめるうちに少しずつ心が揺れ動いていく。
新人戦を控えたある日、顧問と衝突。
生まれて初めて稽古をサボって
海へ向かった福蜂工業高校柔道部主将の長谷はクラスメイトの平政と出会い、
半ば強制的に釣り部へ入部させられる。
長年続けてきた柔道への複雑な思いを胸に、海へ通う日々が始まる。
四月。三年生たちにとって高校生活最後の一年が始まる。
放課後、桜が舞い散る足羽川べりで、
部活の垣根を越えて熱いエールを送りあう福蜂工業高校運動部の面々。
五月某日、部活終わりに駅前のドーナツショップに集まった
福蜂工業高校男子バレー部三年生ご一行。
気心が知れた同期たちを前に、マネージャーの越智が切り出した話とは……。
沖縄出身の父と北海道出身の母をもつ信州育ち、東京在住。学習院大学経済学部経営学科卒業。第9回電撃小説大賞〈大賞〉を受賞し、2003年『キーリ 死者たちは荒野に眠る』でデビュー。著書に「2.43 清陰高校男子バレー部」シリーズ、「五龍世界」シリーズ、『K -Lost Small World-』『サマーサイダー』『代々木Love&Hateパーク』他多数。
最初に新作の短編の依頼をいただいたとき、『2.43』の脇役の誰かを主人公にした話を書きたいですと私から提案したところから、「福井×運動部×(恋!)」の青春部活シリーズがスタートしました。
『2.43』のバレーボールに続き、陸上・柔道と、ほとんど知識0から取材と勉強を重ねながらの執筆になり、まだまだ力不足も痛感していますが、題材にした競技への憧れと尊敬をこめて、”かっこよく”描こうと心がけました。
今、毎日部活に熱中している人。
かつて部活に捧げた青春時代を通ってきた人。
部活、もっと何か思い切り打ち込んでおけばよかったな…という人。
今これから、何の部活に入ろうかと、夢と不安の両方が胸に膨らんでいる人。
たくさんの方の心に何かが届けば嬉しいです。
そして、バレーって、ハイジャンって、柔道って、”かっこいい!”と感じていただけたら何よりです。